「新老人の会」石川支部第6回フォーラム
日 時:平成29年7月9日(日) 13:30~16:30
会 場:金沢市文化ホール
「新老人の会」石川支部第6回フォーラムが湯川れい子先生を講師にお招きして開催されました。本来は、日野原重明会長が講師として参加される予定でしたが、日野原先生が本年1月体調を崩され来県が困難となったため、日野原先生と共著で「音楽力」を出版しておられる音楽評論家・作詞家で、音楽療法にも精通しておられる湯川れい子先生に講師をお願いすることになりました。
日野原先生もビデオ映像で出演していただきました。
サポート会員の徳成奈津子さんの司会でフォーラムが始まりました。
【開会挨拶】
鈴木雅夫石川支部世話人代表が、第6回フォーラム開催の意義と日野原会長が出席できず、湯川れい子先生が講師を引き受けてくださった経緯を紹介し、来場者にフォーラムを楽しんで欲しいと挨拶しました。
【「新老人の会」活動報告】
「新老人の会」本部の石清水事務局長が、「新老人の会」の目的や活動の状況をスライドを使って説明され、現在8,000人の会員を20,000人に増やしたいとの目標を示されました。
【日野原先生のビデオメッセージ】
昨年7月30日、東京オペラシティでの対談の様子を10分間にまとめたビデオが放映されました。日野原先生のお元気な様子やご自分の思いを力強く語られるのを拝見して、先生の一日も早い回復ともう一度石川県に来県していただきたいとの思いを強くしました。
【第1部】講演会
◆講 師:湯 川 れい子 先生
(音楽評論家・作詞家・日本音楽療法学会理事)
◆演 題:音楽でもっと元氣に幸せに
湯川先生は、白地に大胆に花を描いたドレスに白の厚底の靴という華やかないでたちで登場され、右足を後ろに跳ね上げるというおどけたポーズをとり、「シンデレラのドレスみたいでしょ」と会場を和ませてから講演に入られました。
先生は、地球温暖化で災害が多発し、他方、戦禍で若者が命を落とす現状を憂え、これらの解決策の一つとして音楽の力が役に立つのではないかと話されました。
具体例として、イスラエルのダビデが竪琴の演奏で王のうつ病を治し、後継の王に指名されたことや、発達障害で泣き叫ぶ赤ちゃんに、セラピストが赤ちゃんの泣き声に同調して「アー」と発することでコミュニケーションが成立し、その後、赤ちゃんの指を太鼓に触らせリズムを取ると泣き止むという事例(DVDの映像)、教会や寺院の鐘(ベル型)などの穢れ(けがれ)を祓(はら)うという思いがこもった音が持つ特別な力を挙げました。続いて、チベットの小さな鐘を会場で実際に鳴らし、高い澄んだ音を聴くと気持ちが落ち着くことを説明し、「音楽は、人間だけが持つ芸術である」と強調されました。
次に、湯川先生が長年実践しておられる呼吸法について話されました。
健康に良い運動は、太極拳をはじめとして呼吸法を取り入れていると話され、呼吸法の具体的な手法を会場の参加者全員に実技指導されました。気持ちの良い情景を頭に思い浮かべ、さざ波の音を聴きながら鼻から息を吸い込んで口をすぼめてゆっくりと吐く、この呼吸法をしばらく続けた後前屈をすると、大多数の人が、呼吸法を行う前より深く前屈することができました。
先生は、「この呼吸法を続けているお陰で、81歳になってもこのように健康だ」と呼吸法の効果について話し、この呼吸法を15回を1セットとして、1日3セット続けることを勧められました。
講演のまとめとして、湯川先生は、「今日話した『呼吸法』や『音楽が持つ力』を若い人たちに伝えて欲しい。そのためには年を取っている暇はない。日野原先生も105歳でこの使命のために頑張っていらっしゃる。」と話されました。
最後に、簡単な音楽療法の一つである「手の甲にテントウムシがいます」という手遊び歌を湯川先生の指導のもと会場の全員で行いました。湯川先生は「身体の形は心の形。生きる者の知恵として身体に働きかけてみて下さい。いくつになっても奇跡は起きる。そのためにも音楽で素晴らしい人生を送って下さい。」と話され、講演は終了しました。
講演終了後、司会の徳成さんが「今日の会場の雰囲気はどうでしたか?」と問いかけると、湯川先生は「もちろん最高よ!」とにっこり笑われました。
先生のユーモアを交え、健康法の実演も取り入れた講演に、1時間があっという間に過ぎ、終了後、「良い講演だった!」という声が多く聞かれました。
【第2部】賛助出演
モンゴル出身の李彩霞さんが4曲を演奏しました。最初の2曲では二胡独特の哀愁を帯びた異国情緒あふれる演奏を披露し、最後の「競馬」では、馬のいななきを二胡で表現するなど高度なテクニックを駆使し、競馬の様子を臨場感たっぷりに演奏しました。素晴らしい演奏に会場から大きな拍手が送られました。
〇モダンバレエ 清水舞踊スタジオ 指導 石田翔湖
清水舞踊スタジオの子ども達が「きらきら星変奏曲」、「秋・・・みいつけた」の2曲でモダンバレエを披露しました。「きらきら星変奏曲」では舞台初出演の子どもも交え、楽しく可愛らしいバレエが披露されました。2曲目の「秋・・・みいつけた」は、今年6月に開催されたジャパンバレエコンペティション石川2017のアンサンブル部門で第2位に輝いた演目で、洗練された演技で日本の秋をしっとりと表現しました。子ども達の熱演に盛大な拍手が送られました。
〇MRO混声合唱団 ピアノ伴奏 徳力清香
MRO混声合唱団が「みんながみんな英雄」、「かえるの合唱」、「新老人の歌」、「川の流れのように」、「ふるさと」の5曲を披露しました.団長の中田さんのユーモアあふれる司会で楽しい舞台となりました。来場者も「かえるの合唱」で発声練習をし、大きな声で「新老人の歌」を歌いました。「川の流れのように」では、息の合った混声合唱のハーモニーを披露しました。最後に清水舞踊スタジオの子ども達も加わり、会場全員で「ふるさと」を歌いました。
【閉会挨拶】
山内ミハル石川支部事務局長が、来場者、出演者にお礼の言葉を述べ、来年度が石川支部が発足して10周年であることから記念事業を検討したいと話し、閉会しました。